寄稿者

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寄稿一覧 Katara Patton (ゲスト寄稿者)

幼子の信仰

私たちが「おばあちゃん」と慕っている86歳の女性が脳卒中で入院しました。言葉らしきものを話しても、その意味は理解不能でした。担当医は少し回復しなければ脳機能検査ができないと言います。しかし、彼女は私の顔を見ると、渇いた口を開いて「ケイラは元気?」と尋ねました。ケイラは私の娘で、12年間、彼女に在宅保育されていました。精一杯の愛情で世話してきたケイラのことを、まず尋ねたのです。

しもべの姿勢をとる

テレビ番組「覆面リサーチ ボス潜入」は、企業の社長や役員が正体を隠して自社に潜入するというものです。ある冷凍菓子チェーン店の経営者は、かつらとメイクで変装し、新人として働きましたが、その目的は、現場の実情を内側から把握することでした。そして、その経験をもとに、店の問題を解決しました。

本物の宗教

大学2年の時、学友が急死しました。私たちは皆、大学の友愛会に入って絆を結び、人生最良の青春の日々を謳歌(おうか)していたはずでした。彼は数日前まで元気だったのです。悲しい出来事でしたが、その時の最も大切な思い出は、友愛会の男子たちが使徒ヤコブの言う「きよく汚れのない宗教」(ヤコ1:27)を実践したことです。彼らは亡くなった友人の妹に対して、兄のように行動しました。全員、彼女の結婚式に出席し、彼の死から何年も経っていたのに、出産祝いのパーティーに駆け付けました。困ったらいつでも連絡してくれと、携帯電話をプレゼントした人もいました。

神は覚えている

ユースパスターとして教会の青年たちに関わり出したある日曜日、母親の横に恥ずかしそうに座っている少女に声をかけました。「○○ちゃん、元気?」彼女は顔を上げて私を見るとニコリとして、「名前を覚えてた」と小声で言いました。教会の大勢の大人たちの中で居場所がないと感じていたのかもしれません。名前で呼んだことで、心を開いてくれるようになりました。自分も大切な存在だと理解したのです。

ストレスから平安へ

転居はストレス要因の上位にランクされます。私は20年ほど住んだ家から今の家に引っ越したのですが、独身時代に住んでいた家に結婚後も住んで子どもが生まれたので、物が増えました。

ドア枠の慰め

ルイジアナ州南部が洪水に襲われた2016年、友人のSNSに書き込みを見つけました。彼女の家はほぼ全壊のようでした。彼女の母親は、どれほど片付けが大変でも、そこに神がおられると分かるはずよと励ましていました。後日、彼女はむき出しになったドア枠にみことばが書かれているのを見つけました。その家が建てられた時に書かれたのでしょう。友人はそれを読んで慰められたといいます。

本当に必要なもの

ポットローストを作るとき、まず肉の塊を半分に切るので、夫がその理由を尋ねました。すると、妻は「お母さんが、いつもそうしていたから」と答えましたが、なぜかしらと好奇心が湧いたので、母親に聞いてみました。すると、驚いたことに、鍋が小さかったから、という理由でした。娘は大きな鍋を持っていたので、肉を切る必要はなかったのです。

新しい目

新しい眼鏡をかけて教会に行くと、通路の反対側の席に友人が座っていたので、手を振りました。数メートル先ですが、はっきり見えたので、手を伸ばせば届きそうな距離にいると感じました。礼拝後に話しにいくと、私も彼女もいつもの席に座っていたと気付きました。度数の合う眼鏡のおかげでよく見えたのでした。

善にしがみつく

車を青空駐車場に止めて敷地を横切って家に帰ると、オナモミの実が服にくっつきます。俗称「ひっつき虫」。秋は特に厄介です。それは、服や靴、通りすがりの何にでもくっついて移動し、近隣の草地ばかりか世界中に種をばらまいて増えていきます。